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自己破産と偏頗弁済

  • 文責:所長 弁護士 岡田大
  • 最終更新日:2026年1月26日

1 偏頗弁済(偏頗行為)は、債権者平等の原則に違反する

偏頗弁済(偏頗行為)は、破産手続きにおける債権者平等の原則に違反する行為です。

破産手続きを極簡単に説明すると、債務者が抱えている借金について、債務者の財産をもって弁済できるものがあれば弁済して、弁済できない部分について免責を認めるか判断する手続きです。言い換えれば、債権者にとっては、破産が認められるということは債権を回収できなくなってしまうということ意味しますので、そのような立場にある債権者は平等に扱う必要があります。

偏頗弁済は、この原則に違反するため債務者にペナルティーが課される可能性があります。

2 偏頗弁済(偏頗行為)とは

「偏頗弁済(偏頗行為)」とは、債務者が特定の債権者だけに対して弁済を行ったり、担保を供与したりする行為です。

例えば、個人的なつながりのある親や友人、懇意にしている取引先等だけに返済をしてしまう行為です。心情的には、理解できる部分もありますが、すでに説明した債権者平等の原則に違反するため以下のような規律がされています。

3 否認対象行為となる可能性

破産法162条は、特定の債権者に対する担保の供与等の否認として、該当する行為があった場合には、破産管財人の否認の対象とされています(破産法第162条)。

否認とは、簡単にいうと、弁済を受けた債権者は、債務者からの弁済金を他の債権者の配当の原資となる破産財団に返還しなければならないということです。

4 免責不許可事由に該当する可能性

破産法252条1項3号は、「特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをした」場合は、免責不許可事由と規律しています。

免責不許可事由とは、その事由がある場合、原則として免責を認めないということです。

くの債務者の方が破産手続きをとるのはこの免責を得ることですので、免責に影響しうる偏頗行為は、控えなければいけません。

5 その他のペナルティ

一定の重大な偏頗行為については、破産法は刑事罰も予定しています(破産法266条)。

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