自己破産の手続きにかかる期間
1 自己破産手続きにかかる期間は約3か月~1年6か月
自己破産にかかる期間は、事案によってかなり幅があり、一般的には3か月~1年程度ですが、1年を超えることもあります。
期間は、自己破産の手続きが同時廃止事件になるか、管財事件になるかで大きく異なります。
また、弁護士費用の積み立てをする場合には、弁護士に自己破産を依頼してから積み立てが終了するまでの期間も加えて考える必要があります。
以下、弁護士に依頼してから自己破産を申立てるまでの期間と、自己破産を申立ててから免責が許可されるまでの期間について説明します。
2 弁護士に依頼してから自己破産を申立てるまでの期間
⑴ 受任通知の送付
弁護士に自己破産を依頼したら、まず弁護士から貸金業者等に対して受任通知という書面を送付します。
受任通知を送付すると、正確な債権額の把握のため、借金の返済を迫る請求や、返済そのものが一旦停まります。
その後、債権額が記載された書面等が提供されます。
⑵ 費用と申立ての準備
受任通知送付後、返済がストップしているあいだに、弁護士費用の積み立てと自己破産の申立ての準備を行います。
自己破産の弁護士費用は、目安として30万円前後のことが多いようです。
管財事件になることが予想される場合には、ここに裁判所への予納金が20万円程度加わります。
弁護士費用が30万円の場合、毎月5万円の積み立てで6か月を要します。
次に、自己破産の申立ての準備についてですが、ここで必要となる主な書類は、以下のとおりです。
①自己破産の申立書
②過去数年分の預貯金通帳の写し
③過去数か月分の家計表
④給与明細または確定申告の控え
⑤源泉徴収票と課税証明書
⑥不動産の査定書と登記事項証明書
⑦保険証券と解約返戻金額計算書
⑧自動車の車検証の写し
これらの資料の作成や収集には、一般的には3か月程度の期間がかかるのが一応の目安です。
3 自己破産を申立ててから免責が許可されるまでの期間
⑴ 申立てから破産手続開始決定まで
弁護士費用の積み立てと必要書類の準備ができたら、裁判所に自己破産の書類等を提出します。
そして、まず書類の審査が行われます。
書類に不備等がある旨の指摘があった場合には、追加書類の提出等を行います。
裁判所が詳しく事情を確認したい点がある場合には、債務者や代理人に釈明を求めることもあります。
書類について問題がなくなりましたら、破産手続きの開始決定がなされます。
自己破産の申立てから、破産手続き開始決定までにかかる期間は1か月程度です。
⑵ 破産手続開始決定から免責の許可まで
債務者にめぼしい財産がなく、かつ免責不許可事由もない場合には、同時廃止事件になります。
同時廃止の場合、同時廃止の決定から2~3か月程度で免責許可決定がなされ、さらに免責許可決定から約1か月後に免責許可決定が確定して終了となります。
管財事件の場合、破産管財人への予納金の納付後に破産手続の開始決定がなされます。
破産管財人は、債務者の方の財産の調査、免責不許可事由の内容の調査、財産の換価配当手続き等を行います。
その後、裁判所で債権者集会や免責審尋等が行われ、問題ないと判断された場合には免責許可決定がなされ、確定後に手続きが終了します。
管財事件の場合、破産開始決定から免責許可決定までは、3か月~1年程度を要します。
免責許可決定から約1か月後に免責許可決定が確定し、すべて終了します。